「スタンダードツイン リバービュー」
国内のインディゴとしては「インディゴ箱根」に次いで2軒目の開業となります
「インディゴ軽井沢」開業のすぐ後に、3軒目となる「インディゴ犬山」も開業するなど開業ラッシュとなりましたが、当分は一段落といったところで、新たなインディゴの開業や建設はアナウンスされていません。
海外でインディゴを利用した際の感想が、カジュアル過ぎて個人的にはあまり好みではありませんでした。
しかし国内1号店となる「インディゴ箱根」に宿泊してみると、なかなか楽しいホテルだったので再訪するほどのお気に入りとなりました。
お気に入りとなったホテルインディゴ箱根の宿泊記
そんな事情もあって「インディゴ軽井沢」に関しては予約開始と同時に、すぐに予約を入れて宿泊を楽しみにしていました。
ホテルの開業は2022年2月17日、運営は東京センチュリー株式会社の子会社であるTCホテルズ&リゾーツ軽井沢株式会社です。
東京センチュリーとしては「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」に続く、IHG ホテルズ&リゾーツとの協業第2弾案件ですが、ホテルの自社経営としてはこれが初となります。
これまた再訪するほどお気に入りとなった「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」の宿泊記は以下
ホテル外観
それでは早速、楽しみいしていたホテルインディゴ軽井沢にチェックインです。
ストリートビューには、開業前の画像しかありませんでした。
ちなみにホテル入口は国道18号の上り車線側にあるため、大多数の宿泊客が利用するであろう上信越道の軽井沢ICや軽井沢駅方向から来る場合、どこかで上り車線にUターンしなければならず不便です。
プリンス通り沿いに入口があると便利だったのですけれど。
パブリックスペース
建物はロビー棟や客室棟などが広い敷地内に分かれて建っており、それぞれが屋外にある屋根付き通路で結ばれています。
穏やかな気象条件の時は良いでしょうが、雨風の強い日や、冬の軽井沢は相当寒い土地なので、館内施設の移動に屋外を歩かなければならないのは、個人的には面倒な構造だと思いました。
ちなみにホテルの宣伝文句には
好奇心を刺激するデザインとサービスが、みなさまを心踊るイマジネーションの旅へとお連れします。
・・・とありますが、別荘を所有していない者からすると、ホテルのどの部分が別荘に着想を得ているのかは不明でした。
施設配置図
ロビーラウンジのあるロビー棟を出ると右手にレストラン棟があります。
そこには食を囲んだコミュニケーションがテーマの、イタリアンダイニング“KAGARIBI”があります。
左手はスパ棟で炭酸泉露天風呂付き大浴場、タイ発祥の名門スパ「ザ・スパ by HARNN」、フィットネスセンターなどがあります。
それらの先に3階建ての客室棟がA・B・Cの3棟にわかれて並んでいます。
客室棟の入口
今回泊まった部屋は中央にあるB棟でした。
3階建ての建物ですが、入口を入ったフロアが2階になります。
傾斜地にあるため階下に1階があります。
ホテルインディゴは、デザイン、サービス、フード体験などに、ホテル周辺の土地の個性「ネイバーフッドストーリー」を反映し、刺激的な光景、音、味を宿泊体験としてゲストに提供するグローバルブランドです。
このコンセプトはインディゴ箱根に宿泊した際によくわかりました。
自然豊かな軽井沢は、明治時代中期に西洋の宣教師によって魅力を見出され、上流階級や芸術家、知識人の集まる別荘地として発展した歴史を持ちます。
さらに近年は働き方の多様化に伴い、都心からの移住者や二拠点生活者の増加で注目を集めています。
その唯一無二な特徴を持つリゾート地で、ホテルインディゴ軽井沢は、洗練された文化的なあこがれと好奇心を満たす軽井沢ならではの別荘体験を演出し、ゆったりとした癒しはもちろん、豊かなライフスタイルのためにリチャージできる滞在を提案するとのことです。
客室棟の廊下
A、B、Cの3棟に分かれた客室棟。客室数は全155室。
内訳はスイートルーム8室、スタンダードルームプライベートガーデン付26室、スタンダードルーム121室です。
フロア図
避難経路図です。とてもシンプルなレイアウトです。
このフロア、この建物に限っては全室が同じ部屋面積のようです。
扉まわり
木目調の建具が目立ちます。
地元木材(長野県産カラマツ)の使用によるホテルデザインに加え、ホテル周辺の土地の個性を食事やサービスなどに反映することを通じて地域に寄り添い、CO2削減や地方再生への貢献を目指しているそうです。
カードキーをスロットに差し込んで主電源オン。
エアコンの操作部はバックライトが明るく、デザインもシンプルで格好良いです。
入口の近くには大きな姿見があります。
姿見の裏にはアイロン台が収納されていました。
これは「インディゴ箱根」でも同じ収納方法がとられており、アイデアものだと感心しました。
スタンダードツイン リバービュー
客室面積は32㎡です。決して広くはありませんが、狭苦しさは感じません。
澄み切った空気と文化の風を感じ、上質な時間が流れる軽井沢。
東洋と西洋の融合、そして浅間山の大自然からインスパイアされたデザインは、別荘のようなぬくもりある空間をイメージしているそうです。
ベッド
ハリウッドツイン形式で並べられたベッド。
枕は2個
サイドテーブル
向かって右側のサイドテーブルがメインの扱いです。
円筒状の物体はBOSE のブルートゥースサウンドシステムです。
向かって左側のサイドテーブルには可愛らしい木製の置き時計。
照明スイッチとコンセントパネルは左右共通です。
ナイトランプのスイッチ下にあるパイロットランプの緑色LEDが明るすぎて、消灯しても部屋が真っ暗になりません。ぼんやりと壁面を照らすほどです。
そのままでは明るさが気になり寝づらいので、荷物で塞ぎ眩しさをカットしました。
クローゼット
オープンタイプのクローゼットです。
標高が高くて、寒い土地ですから羽織が用意されています。
羽織の青と黄色の組み合わせが、今ならウクライナ国旗を連想しますが、平時であればゲゲゲの鬼太郎の衣装を思い起こします。
もしくは”ゼンジー北京”の舞台衣装って感じ。
左の引き出しにはセーフティボックスが収納されています。
右の引き出しにはナイトウェアが収納されていました。
ナイトウェアは着心地の良いパジャマタイプでした。
棚の下には使い捨てスリッパとランドリーバッグ。
実はその棚の一番右端にはアイロンが置かれていましたが、まず気づかないと思います。
靴べらや洋服ブラシは木製のデザインされた格好の良いものでした。
部屋の隅にはハンガーの付いた家具があります。
バゲージラックと共に、インディゴブルーで彩られています。
机まわり
案の定、ワーキングデスクなどといった無粋なものはありませんでした。
丸テーブルのみです。
「インディゴ箱根」にあったような、パソコン作業のしやすいデザインでもなく、ただの丸テーブルです。
ソファは2人が並んで腰掛けるには狭いです。
座れなくもないですが無理があります。
このソファに座ることで親密さを増したいという狙いがある2人連れには適しているサイズかもしれませんが、そういう関係ではない場合、どちらか一方が座っていれば、もうひとりはベッドに腰掛けるしかありませんでした。
木目がやたらと強調されたデザインのテーブルです。
ウェルカムギフトとして焼き菓子が置いてありました。
総支配人さんからのウェルカムカードです。
ホテル側がCO2削減などを掲げているのなら、特に読みもしない”印刷モノ”のメッセージカードなどは廃止してもよいのではと思います。
紙ゴミが増えるだけと思うのは私だけ?
テレビ
サイズは49インチあります。
視聴可能なチャンネルは以下のとおりです。
最新のアプリテレビです。
旅先に来てまでテレビを見入ることはないので、特に重要な機能ではありません。
テレビはホテル案内としても使われています。
特に見るべき映像ソフトがないので、インディゴのチャンネルにして音楽と映像をループさせていました。
テレビの下には、このような素朴なおもちゃがディスプレイされていました。
Bagheraというメーカーの品で、フランスでデザインされたおもちゃです。
強固なABS樹脂で作られ、光沢のある美しいコーティングが施されたRacing Carは卓上サイズのトイ。
通販サイトなどでは約6000円で売られています。
シャープ製の加湿空気清浄器です。
バーカウンター
白木のカウンターが高原の趣きです。
エスプレッソマシンはイリーの製品でした。
コンプリのミネラルウォーターは見たこともないメーカーの品でした。
持ち運びが出来る取手付きのランタンもあります。
電気ポットは引き出しの中にあります。
スナック類は見たことのないお菓子ばかり。
イリーのカプセルとハードリカー。
ティーバッグはロサンゼルス発のオーガニックティーブランド「アートオブティー」製です。
冷蔵庫は引き出し式です。
持ち込み品を入れるスペースは限られています。
ミニバーのプライスリストです。
水回り
お手洗いや風呂などは全て独立しています。
お手洗い
広々としたお手洗いは、部屋の入口側にあります。
TOTOのタンクレスタイプでスッキリ。
ウォシュレットの操作はもちろんリモコンタイプ。
お手洗いの中に手洗い場があります。お湯も出ます。
バスルームと洗面所は窓側に配置されています。
洗面所
丸い鏡は最近の流行りなのでしょうか?
近年開業したあちこちのIHG系のホテルで見かけます。
シンクは幅があって、水はねもしません。
蛇口からお湯が出るまでに結構時間がかかりました。
ソープ類はBiology製です。箱根のインディゴと同じです。
持ち出し防止用でしょうか、固定されていました。
アメニティ
歯ブラシはインターコンチネンタルで使われているものと同じでしょうか?
ブラシの先が柔らかくて、歯茎への攻撃性が少ない使い心地のよい歯ブラシです。
シンク下のタオルは3枚ずつ。
DRETEC(ドリテック)製の体重計。
ドライヤーは袋入です。
中身はSALONIAのドライヤーでした。
これらの備品には、あまりお金をかけていないのがわかります。
バスルーム
ガラス越しに外が見えるビューバスです。
ビューバスは全てのリバーサイドツインに備わっているわけでは無さそうです。
バスタブは足が伸ばせるサイズです。
ちなみにビューバスと言えども、夜になれば窓外は真っ暗になるので何も見えません。
シャワーはレインシャワーとハンドシャワー。
ピッカピカのカラン。
水栓機器はGROHE製です。
バスルームのシャンプー類も持ち出し防止用に固定されています。
眺望
窓の外にはテラスがあります。
籐の椅子が2脚。
包み込むようなデザインで座り心地は良かったです。
客室との仕切りには、折りたたみ式の網戸があって、引き戸とはマグネットでつながっています。
ストッパーが付いているので、網戸のみの状態で全開には出来ません。
あくまでも換気時の隙間を埋めるための網戸という扱いです。
窓には遮光性のロールスクリーンがあります。
眺めはリバービューです。
信濃川水系の一級河川、矢ヶ崎川がホテル前を流れていますが、ご覧のように2階の客室から水面は見えづらいです。3階の客室であれば見えるのかもしれません。
川のせせらぎも聞こえますが、それよりも野鳥の美しい鳴き声が楽しかったです。
1階の客室はプライベードガーデンが付いた部屋です。
川の向こうにはゴルフ場があります。訪れた日は誰もプレーしていませんでした。
軽井沢の街中で買ってきたケーキでお菓子タイム。
ルームサービスメニュー
最後にルームサービスの食事メニューです。
部屋のテレビの案内ページから見られます。
料理を提供するのはホテルにあるオールデイダイニング「KAGARIBI」。
スタイリッシュな空間で四季折々の軽井沢を心から楽しんでいただける「薪火イタリアン」です。
清涼な水と空気に育まれた軽井沢の新鮮食材を、シェフこだわりの薪の炎でダイナミックに調理するのは、「インディゴ箱根」と同じです。
薪グリルは一度味わえば、もういいやって感じですし、キャンプ飯などは薪料理そのもので、特に目新しくもなく、わざわざ店に足を運ぶ気にはなりませんでした。
さらに有名なイタリアンの店が多い軽井沢にあって、すでに昼食でイタリアンを食べていたので食指も動きません。
でも億劫になった最大の理由は屋外を歩いてレストラン棟まで行くのが面倒だったから。
同様に大浴場にも行きませんでした。
春浅し軽井沢では湯冷めします。
オールデイ メニュー
キッズメニュー
夜10時以降のレイトナイトメニュー
ビバレッジ
シャンパンやワイン
ビール
ソフトドリンク
コーヒー 紅茶
朝食
ルームサービスのメニューは充実しています。
しかし、注文したところで1人ならまだしも、2人で丸テーブルに向かって狭いソファに並んで食べるのは無理だと思います。互いの肘がぶつかります。
テラスにある椅子を部屋に持ち込まないと使い勝手は悪そうです。
ウェルカムドリンクはロビーラウンジでいただきました。
ちなみに「KAGARIBI」で使用する場合は、料理を注文しないと利用できないとのことでした。
楽しみにしていたインディゴ軽井沢でしたが、各施設が敷地内に別棟で配置されている点が、モノグサな私からすると、使い勝手の非常に悪いホテルという印象を持ちました。
インディゴ箱根を気に入っていただけに、インディゴ軽井沢は期待はずれ感が強くなったのもあります。
またアクセスに関しては軽井沢駅から歩けなくもない距離ですが、旧軽井沢のように歩いて楽しい道のりでもありません。
ホテルと駅との間にはシャトルバスも無いようなので、結局タクシーで向かいました。
ホテルの徒歩圏内には、軽井沢らしい観光地や素敵な店もなく、ホテルのまわりを散策して楽しむのであれば旧軽井沢周辺の宿に泊まった方が良さそうです。
車があれば、また使い勝手は違うのでしょうが、公共交通を利用する身には不便で楽しみの無いホテルだと思いました。
インディゴというよりも、ロードサイドタイプの「フェアフィールド」という印象を受けました。