「別館 洋室ツイン」
山の上ホテルは駿河台の高台にあり、閑静で開業以来、小説家・ジャーナリスト・学者等の利用が多く「文化人のホテル」として広く知られています。
今回は2014年まで営業していた「山の上ホテル別館」の宿泊記です。
ちなみに本館は現在もスモールラグジュアリーホテルとして営業中です。
御茶ノ水界隈に行く時はJRよりも地下鉄を使うことが多く、主に神保町駅を利用します。この日もホテルに向かうのに神保町駅で下車して、A5出口から地上に出ました。
オフィス街を抜けて錦華公園の横の坂道を上がって行くと、正面に山の上ホテル本館の裏口が見えてきます。
ホテル外観
突き当りを左折して次のT字路を右折すると、坂の上に目指す「山の上ホテル別館」が見えてきます。右手は本館の建物です。
神保町駅から向かっても、御茶ノ水駅から向かっても、必ず坂道を登ることになる、まさに”山の上”にあるホテルです。
山の上ホテル別館の正面に到着です。お疲れさまでした・・・自分。
山の上ホテル自体は昭和29年開業の老舗ですが、こちらの別館は昭和45年に開業した建物です。
それでも現在から数えると半世紀以上前の開業ですから歴史があります。
この「山の上ホテル別館」ですが、残念ながら2014年6月15日に閉館しました。
今回は別館が閉鎖されると聞いたので宿泊した次第です。
現在はキレイに取り壊されて、明治大学の敷地の一部みたいになっています。
同じ場所で振り返ると、山の上ホテル本館は営業中です。
本館は昭和29年に開業。昭和55年に全面改装されています。
昭和12年の竣工時はウィリアム・メレル・ヴォーリズによる建築で、改装後も外観は大きく変わっていません。
漆喰と木肌の調和が特徴的なクラシカルな部屋で、客室数は全35室。
パブリックスペース
一方の別館は昭和45年に建てられた7階建て。客室数は39室。
長きに渡って、本館と別館の2館体制で営業していました。
本館と別館でフロントは分かれており、小ぢんまりとしたロビーに、これまた小さなフロントがありました。
時代を感じさせる家具やインテリアが素敵です。
2階へと続く階段。
現在のホテルのような華美な装飾はなく控えめですが、ワクワクする設計です。
別館ツイン
部屋は「白と緑」を基調とした落ち着いた雰囲気です。
部屋の面積は22.5㎡。
客室の鍵は昔ながらのタイプです。
年代物のクリスタルのキーホルダー。
ベッド
幅の狭いシングルサイズです。
マットレスはコイルの感触が背中に伝わるような年代物でした。
正直言って寝心地はよくありませんでした。
またナイトウェアが浴衣だったのも寝づらい要因のひとつでした。
サイドテーブル
両ベッドの間にサイドテーブルが設置されています。
もちろん最近のホテルでは当たり前のUSB電源などはありません。
それにしてもナイトスタンドのデザインが時代を感じさせます。
そして魔法瓶に入った氷水がキンキンに冷えていて美味しかったです。
ペットボトル入りのミネラルウォーターとは違います。
机まわり
ワーキングデスクは無く、ソファセットに付随したローテーブルとなります。
テーブル上のコップに入ったお茶は、このホテルの名物でもある、ほうじ茶のウェルカムティーです。
テレビ、バゲージラック、そしてティーセットや冷蔵庫が収納された棚が壁際に並んでいます。
ソーサーにはホテル名が印字されていました。
眺望
ホテルの周囲明治大学の校舎ばかりです。
明大ビュー。
水回り
設備は古いものの、タイルの目地などもキレイで、清潔感のあるお風呂でした。
洗面台とお手洗い
シンプルなインテリアです。
アメニティ
ホテルのロゴがプリントされたオリジナルのパッケージに入っていました。
クラシカルなロゴですが、これが雰囲気があって良いんです。