寝る子のヌシのお泊り帳

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【宿泊記】パレ コーブルク ホテル レジデンツ / ウィーンの宮殿5つ星ホテル Palais Coburg Hotel Residenz

コーブルク スイート」

宮殿の名がつくのも、決して大げさではない、その名に恥じない納得のホテルです。

かつての宮殿をホテルに改装しただけあって、客室はもちろんのこと、パブリックスペースを含め、全てにおいて見事です。

客室数は全34室、全てがスイート。

世界中の高級ホテルが名を連ねる「リーディングホテルズ」の加盟ホテルです。

パレ コーブルク ホテル レジデンツ」はウィーンの中心、パークリングの真裏にあり、スタッドパーク(市民公園)、シュテファン大聖堂、旧市街を見渡すことができます。

ホテル外観

ウィーンの古い城壁を取り入れた建築物です。

古びたレンガが歴史を感じさせます。

その上に新しいレンガを積んでいるのがわかります。

この宮殿が建てられたのは1844年ですが、2003年にホテルへと生まれ変わりました。

再建されたネオクラシカルファサードの奥に建つこのホテルは、歴史を感じさせる佇まいや、巧みに取り入れられた中世の特徴と、現代的なデザイン要素や最先端技術を併せ持っています。

パブリックエリア

フロントのあるロビー階です。

元は古い建物なのに館内が明るいのは、天窓から光が差し込んでいるからです。

とにかく品の良さを感じさせるロビーです。

それでいて高級ホテルなのに、お高く止まっていない雰囲気が、庶民的には好感度アップです。

素敵な花が飾られています。

フロントは3人体制でした。

ロビーラウンジ

ビーフロアから数段下がった先にロビーラウンジがあります。

また上階にはシガーラウンジもあります。

シガーラウンジは使ったことが無いのでわからないのですが、葉巻のみでタバコはダメなんでしょうか?

ロビー階を左手へと進みます

すると館内にゴツゴツとした岩が現れます。

岩に見えていたものは、昔の城壁の一部です。

この城壁を保護するように建物が作られています。

階下には1850年代のウィーンの地図が床一面に描かれています。

ホテルが位置するのは地図の下部分の赤く色が塗られている箇所です。

パレ・ザクセンコーブルクとしても知られる「パレ・コーブルク」は、かつて ザクセンコーブルク・ゴータ家のコハーリ家が所有していました。

「パレ・コーブルク」は1839年に建築家カールシュレプスによって新古典主義様式で設計され、1840年から1845年にかけて、ザクセンコーブルクのフェルディナント王子とゴータによって、1555年にさかのぼるウィーンの都市防衛の一部である城壁の堡塁の上に建てられました。

宮殿は多くの白い柱が立ち並ぶ様子から、スパーゲルブルク(「アスパラガスの城」)との愛称で呼ばれていました。

宮殿の最後の個人所有者は、彼女の家族と一緒に住んでいた王子の貴賤の未亡人であるサラ・オーレリア・ハラスでした。

オーナーは1970年代に宮殿を売却し、現在の大規模な改装を経た豪華な5つ星ブティックホテルとなりました。

 

エレベーター 

エレベーターかごは、天井部までがガラス張りなので、シャフト部分が丸見えです。

よってエレベーターシャフト内にはだまし絵的な装飾が施されています。

ガラス窓は絵ではなく本物で、窓の向こうは後述する階段のスペースになっています。

フロア案内です。

8層構造になっています。

コーブルク スイート

広々とした客室はすべてスイートで、明るく光が差し込み、クラシックとモダンが見事に融合した内装に、骨董品級の家具、優れた美術工芸品、クリスタルシャンデリアが備えられています。

そのうちコーブルクスイートと呼ばれる部屋は全3室あります。

203号室のALBERT、204号室のVictoria、そして206号室のMARIA ANTONIEです。

今回宿泊したのは204号室のVictoriaです。

リビング

部屋が位置するのは宮殿中央にあるテラス部分です。

机まわり

ワーキングデスクというか執務室といった雰囲気です。

絵は部屋の名前の由来となっているビクトリア女王かと思われます。

歴史、特に世界史は苦手なので自信はありません。

テラス

リビングの前には21㎡のプライベートテラスがあります。

テラスからはテオドール・ヘルツェル。プラッツの先にスタッドパーク(市民公園)が見えます。

宮殿の中央に位置する部屋以外ですと、窓外の眺めは通りを挟んでビルビューになります。抜けのある眺望を楽しむにはこの部屋が良いでしょう。

庭園

テラスの下には閑静なホテルの庭園があります。

木々と薫り高い花々からなる緑のオアシスが静けさを醸し出し、街中にいることを忘れさせてくれます。

というかホテル自体がもはや浮世離れしている感があり、現実を忘れさせています。

 

ホテルは全34室がスイートで、最も狭い部屋でも部屋面積は70㎡が確保されています。

またほとんど部屋が1,2階にリビングと寝室が分かれたデュプレックス仕様になっています。

ちなみに「コーブルクスイート」の客室面積は136㎡もあります。

我が家よりも断然広いです。

まさに非日常を味わえる空間でした。

キッチン

庶民的感覚からすると長期滞在時の自炊用かと思ってしまいますが、本来はお抱えのシェフに料理を作ってもらう為のものでしょうか?

寝室

2階部分が寝室です。

クラシカルな宮殿ホテルですが、意外にもリネンは現代的なデザインでした。

水回り

この部屋の特筆すべき点は水回りの豪華さだと思いました。

バスタブはジャグジーです。

洗面台はそれほど横幅はありませんがダブルシンクなので2人でも大丈夫。

とは言え、今までホテルのダブルシンクで恩恵を受けたことがありません。

普段の実生活では1つのシンクを、お互い特に不便に感じること無く使っているので、別にシンクが2つあろうと、元々同時にシンクを使う習慣が無いので困らないのが実情です。

つまり、こういうホテルに普段から泊まるような方は、ご自宅もダブルシンクなのでしょうね。

アメニティはロクシタンです。

これが他のスイートには無い特徴です。

なんとサウナが付いています。

パブリックエリア

一息ついたら、客室を出て館内を探検します。

地階は城壁内の通路が残っています。

通常なら真っ暗な地下通路ですが、天井に設けられた天窓から太陽光が注ぐ設計になっています。

一部にガラス床があり、覗き込むと古井戸が見えました。

ワインセラー

怪しい装飾に導かれてさらに地下の奥へと進みます。

のぞき窓から階下が見えます。

見えているのは「パレ コーブルク ワインバー」。

赤い革とニレの木が使われた店内で、 昼時はコーヒーや軽食を楽しめるカフェになっています。

夜になるとワイン愛好家が集まる、雰囲気のある店になります。

営業時間は木曜日から土曜日の16時〜午前0時

ワインに力を入れているホテルの様で、地下にはあちこちにワインセラーがあります。

こちらは船底をイメージしたインテリアのようです。

それにしても、こんなにワインが必要か?って思うほどあります。

「パレ コーブルク」には実に6つもの個性的なワインセラーがあり、4世紀前からのおよそ60,000本のワインを貯蔵しています。

私はアルコールが苦手なため、ワインの知識が全くなく価値がわかりません。

でもこれだけワインがあると壮観だなぁとは思います。

大きな地震が起きないことを願うばかりです。

レストラン

館内はレストランもあり、中でもインテリアが特徴的な店がこちらです。

「Silvio Nickol Gourmet Restaurant」。

エグゼクティブ シェフのSilvio Nickol氏の名前を冠したレストランです。

なんとも特徴あるインテリアのテーブル周りです。

一見すると地階にあるかのような雰囲気ですが、庭園に面したガラス窓のある店です。

壁面に飾られたグラスが見事です。

あらためて大きな地震が起きないことを願うばかりです。

階段

ホテル内にはエレベーターシャフトに並行して階段室があります。

この階段ですが単なる階段ではなく、立派な空間として存在しています。

階段の1階部分は、かつて馬車が乗り入れていました。 

それを説明する模型が展示されていました。

これだけ見事な階段ですと、上り下りの苦労も忘れて楽しくなります。

丸窓の向こう側はエレベーターシャフトです。

大空間の階段の吹き抜けです。

パレスイート

別の部屋も利用しました。

パレスイートは全部で7室あります。

その中で402号室の「LOFT」という部屋を利用しました。

ホテル最上階にある部屋です。

部屋面積はコーブルクスイートに比べると狭くなりますが、それでも89㎡あります。

またデュプレックス仕様の部屋が多い中で、この部屋はシングルレベルなので、使い勝手は良いかもしれません。

寝室

目線を下げると、窓の外にシュテファン大聖堂が見えるのが、この部屋のウリでもあります。

赤色が目立つこの部屋のデザインコンセプトはジャパニーズとのことです。

リビング

コーブルクスイートとは一転してモダンなインテリアです。

机まわり

現代的なワーキングデスクです。オフィスの重役の机って感じです。

ライブラリーには面白そうな書籍も置かれています。

現代的なインテリアは、宮殿ホテルとは言えクラシカルな雰囲気を特に求めない場合には選択の幅が広がります。

眺望

最上階はこの1室のみです。明り取り用の高窓もあって、昼間はとても明るいです。

窓外はウィーンのシティビュー。

シュテファン大聖堂方面の眺めです。

水回り

バスタブはジャグジーです。

洗面台はダブルシンク。シャワーブースも広々。バスローブ完備は当たり前。

 

パブリックエリア

小さいながらも上層階には室内プールがあります。

館内には宿泊客しか立ち入れない空間もあります。

いかんせん全34室しかないホテルなので、これらの空間を占有する確立が非常に高いです。ただし広すぎて逆に落ち着かないんですけどね。

ミーティングルーム

ホテルには大小様々なミーティングルームがあります。

その中でも宮殿ホテルらしい佇まいを見せているのがこちらの「スタディルーム」

面積は47㎡です。

このホテルを舞台に国連安保理常任理事国5ヶ国(米、英、仏、露、中)とドイツ及びEUと、イランとの間の核問題を巡る協議が連日繰り広げられ、2015年7月14日に最終合意に達し、「包括的共同作業計画(JCPOA: Joint Comprehensive Plan of Action)」がとりまとめられています。

どのミーティングルームが使われたのかはわかりませんが、様々な重要な会議が行われるようなホテルでもあります。

奥には執務室があります。

こういう環境で仕事をする人って、どんな職種なのだろう?全く想像がつきません。

天井近くまで続く大きな窓です。

窓枠に付けられた装飾が格好よかった。

しかし悲しいかな、これの使い途がわからない。

天井画

こちらの白い空間が眩しいミーティングルームは「ヨハン・シュトラウスコンサートホール」というもの。演奏会や会見場として使えそうです。

ステートルーム

まさにこれぞ宮殿!といった見事なステートルームです。

名称は「ミラーホール」。 舞踏会を開くならここですね。

豪華絢爛な100㎡の空間です。

天井が高い。そしてシャンデリアが見事です。

こちらのステートルームは「イエローサロン」 

まさに黄色と金色の空間です。

壁面はフランス製のシルクの壁紙に覆われています。

壁に近づいてみると、確かに布張りだということがわかります。

傷つけたり汚したら大変です。飲食禁止にしたほうが良いのではと心配になります。

こちらは「ブルーサロン」。

濃紺と白色の空間。

薄い緑色に彩られた「ファミリーサロン」。

ファミリーというのは、宮殿のかつての所有者であるコーブルク家のことを指しているのだと思います。

立派な宮殿を見ていると、つい掃除や保守作業の苦労を想像してしまいます。

このシャンデリアはなかなかアートで素敵です。

豪華ホテルは多々あれど、ハリボテではない本物を使用した風格を見せつけられた感のする素敵なホテルでした。

ちなみに宿泊客はミニバーと朝食は無料です。