デラックスルーム
オーストリアの首都ウィーンにあるラグジュアリーホテルに宿泊しました。
そのホテルとは「ホテル・ザッハー ウィーン」です。
世界中の高級ホテルやリゾートが加盟するザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド(The Leading Hotels of the World)の一員でもあります。
ちなみに日本国内のザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド加盟ホテルは6つ。
「帝国ホテル」
「パレスホテル東京」
「The Okura Tokyo」
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」
「フォションホテル京都」
「ハレクラニ沖縄」
どれも高級ホテルばかりで泊まったことはありません。
…というか宿泊費を考えると、とてもじゃないが泊まろうと考えたことすらありません。
概略
「ホテル・ザッハーウィーン」はウィーンの歴史が刻まれ、今でも世界中の人達が訪れる伝統あるホテルです。
ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールドでは以下のように紹介されています。
引用:The Leading Hotels of the World
1876年の開業以来、ウィーンの歴史における重要な場所として、政治、経済、文化など各界の著名人たちを数多く迎えてきました。
数々の逸話があるザッハーは、映画のロケ地としても人気が高く、「第三の男」や「黄金のアデーレ 名画の帰還」「ミッション:インポッシブル」などに登場しています。
ホテルの歴史と同じく有名なのは、宝石のような色合いのクラシックなインテリア。客室はアンティークの調度品やシルクのカーテン、厳選された絵画で飾られています。
プレジデンシャルスイートは、この部屋にお迎えした数々のゲスト(ほんの数例を挙げると、インディラ・ガンディー、エリザベス女王、ヘルベルト・フォン・カラヤンなど)にふさわしい荘厳な雰囲気です。
ペントハウススイートは、コンテンポラリーなインテリアの客室に、市街のパノラマビューを楽しめるテラスを備えています。
ホテルの目の前には「ウィーン国立歌劇場」があり、ホテルの横には歩行者天国のケルントナー通りがあるなど、ウィーンを観光するにはこれ以上無いほど便利な立地です。
そんな高級ホテルではありますが、庶民である私はウィーン空港からホテルまで、タクシーなど使わずに公共交通機関で向かいます。
シティエアポートトレイン(CAT)すら勿体ないので、OBBの列車で市内へ。
さらにトラムに乗り換えてホテルに向かいます。
降り立ったのは国立歌劇場の目の前にあるオペラ・カールスプラッツ停留所。
立派な「ウィーン国立歌劇場」の横を抜けると、目指す「ホテル・ザッハー」が現れました。
パブリックエリア
ドアマンの笑顔に迎えられて中に入ると思った以上にコンパクトなロビーまわり。
でもここはロビーではなく、フロントと思った所はコンシェルジュデスクでした。
コンシェルジュデスクの隣には、様々な観光案内などの相談にのってくれるデスクがあります。
しかし5つ星ホテルのコンシェルジュに「オススメのファーストフードは?」なんて恥ずかしくて聞けないので、一度も利用することはありませんでした。
そのデスクの脇を抜けて、更に奥へと進みます。
左手にエレベーターが見えますが、それを見つつ奥の扉を開けます。
ロビー
すると現れるのがロビーです。
天井が高く広々としており、さらに静かなので落ち着ける空間です。
ここは宿泊客以外でも、待ち合わせなどで利用できるスペースです。
しかし奥まった位置にあることもあって宿泊客以外は誰も利用していない様子でした。
滞在中、ここが賑わっている様子は一度も見ませんでした。
このロビーの右手に小部屋のように狭いフロントがあります。
フロントの周りにはホテルの創業者家族の肖像画や写真が飾られていました。
下段に飾られた髭をはやした男性が、ホテル・ザッハーの代名詞とも言えるお菓子「ザッハトルテ」の生みの親、フランツ・ザッハーです。
そしてフランツ・ザッハーの息子エドワルド・ザッハーが1876年にホテルを創業しました。
館内にはエレベーターもありますが、階段が非常用としての用途だけではなく、普段遣いも出来るような使いやすい位置にあるので、使い勝手が良かったです。
古いホテルの良さはなんといっても階段の使いやすさにあります。
日本のビジネスホテルのように、2階客室へのアクセスがエレベーターのみという無駄は、解消してほしいものです。
デラックスルーム
ホテルの客室数は全部で182室です。
そのうち78室がスイートで、残り74室が「デラックスルーム」という括りです。
よくある「スタンダード」「スーペリア」「コンフォート」といった区分はありません。
スイート以外は残り全てがデラックスとはさすが五つ星ホテルです。
デラックスの客室には様々なタイプがあり、部屋の面積もまちまちです。
ホテルの公式ページには27〜39㎡と記載されていました。
今回宿泊した部屋が、果たして何平米なのかはわかりません。
ただし最低でも部屋面積は27㎡あるので決して狭くはないはずですが、天井が高いために壁と床の比率のせいで部屋が狭く見えてしまいます。
ベッド
ベッドのサイズはキングサイズです。
クラシックスタイルのインテリアがウィーンらしさを醸し出しています。
客室の照明がシャンデリアというのも、これまであまり経験したことがありません。
普段愛用する格安ビジネスホテルの寒々しい蛍光灯とはワケが違います。
ターンダウン後のナイトチョコレートはもちろんザッハトルテです。
私は甘党なので嬉しい限りです。
眺望
窓外には「ウィーン国立歌劇場」が迫ります。夜はライトアップされるので尚更キレイです。
眺望はご覧の国立歌劇場ビュー以外に、アルベルティーナ、そしてケルントナー通りの計3方向の眺めがあります。
個人的には国立歌劇場に面していて、且つケルントナー通りに近い方が、ウィーンらしい風景を楽しめるのではないかと思います。
ベッドと水回りとの間にはガラス窓があります。
仕切りが全面ガラス張りではなく一部分だけをガラス窓にしている点が、現在の主流である全面ガラス張りとは違っており落ち着けます。
ガラス窓は鏡のついた引き戸で閉ざすことも可能です。
水回り
壁も床も大理石調で豪華な雰囲気です。しかし転んで頭を打ったら大怪我しそうです。
洗面台
ダブルシンクです。しかし一人だったのでダブルシンクのありがたみは特に感じられません。
壁一面のミラーの中にはテレビが組み込まれていました。
入浴中にテレビを見たい人には嬉しい機能かもしれませんが、私はそもそも風呂嫌いで常に”カラスの行水”なので、この手のモノを使った試しがありません。
アメニティ
ザッハーオリジナルのシャンプーやボディソープです。
このシャンプーやボディソープ類はホテル内のスパで使われているものと同じで、ホテル内の売店でも販売されていました。買えば結構なお値段になりそうなので、使い残しは記念に持ち帰りました。
カカオの甘い香りにウットリしてしまうボディローションなどは、間違えてパンに塗って食べてしまいそうです。
画像引用:Hotel Sacher Wien
バスタブ
余裕をもって足が伸ばせるサイズが確保されています。
しかし浴槽の縁が固くて角張っている点が、裸で転んでスネをぶつけたら流血必至だろうと勝手に想像して怖くなります。ツルリとならぬよう慎重に足を運びました。
ガラス窓を通してベッドが見えます。
カーテンを開ければ「ウィーン国立歌劇場」を眺めながらのバスタイムを楽しめます。
シャワーブース
ハンドシャワーとレインシャワーがあります。
水量も水圧も申し分ありません。
お手洗い
扉を閉められる独立タイプです。
なぜかバスローブはトイレ内に掛けられていました。
夜の外観
ライトアップされて雰囲気が良いですね。
ホテルとは関係ありませんが右側に突き出たカジノの看板が残念です。
決してお手頃な価格のホテルではありませんが、ウィーンを代表するホテルだけに、話の種に泊まってみてはいかがでしょうか?