「モデレートダブル」
三井の牙城とも言える日本橋。
ホテルの立地は日本橋エリアの北の玄関口に位置する、室町3丁目交差点の角。
日本橋だけにアクセス面も優れており、東京メトロの三越前駅およびJRの新日本橋駅とはビルの地下階で直結しており、東京駅も余裕の徒歩圏内です。
ホテルの開業は2018年9月13日、運営は株式会社三井不動産ホテルマネジメント。
2018年6月に竣工したオフィス・ホテル・商業店舗からなる複合施設「OVOL(オヴォール)日本橋ビル」の上層階(1階・9階~15階部分)にホテルがあります。
ホテル外観
ホテルの外観です。暖色系でライトアップされていました。
夜遅くのチェックインとなりました。
こちらのホテルは、チェックアウトが12時というのがありがたいです。
10時チェックアウトですと夜型人間には使いづらいです。
終電間際の時間帯でしたが、日本橋という土地柄もあるのか、酔客などおらず人通りは少なかったです。
ホテルが入るビルの1階にはセブンイレブンがあるので、買い出しなどは便利です。
ビルに向かって右側の入口からホテルにアクセスします。
1階はエントランスのみで、フロントは9階に位置します。
広々としたロビーでしたが、壁面が暗い色使いだったため、照明も薄暗く感じました。
フロント付近のみがスポットで照らされている感じで、暗闇の中にスタッフの笑顔が浮かび上がっているように見えました。
なんとなく上品なお化け屋敷といった印象です。
時刻は午前0時を過ぎていたので他に宿泊客はおらず、すんなりチェックイン完了です。
パブリックスペース
客室フロアに行くエレベーター乗り場の前に扉があって、センサーにカードキーをかざすことで、エレベーターホールに入場できるシステムでした。
しかしエレベーターかご内にもカードキーのセンサーがあるので二度手間感があります。
自分の客室があるフロア以外には行けないタイプです。
セキュリティを考えてのことでしょうが、この手のシステムは同行者が別のフロアになった場合、相手の部屋へ行く時に、ロビーで一旦待ち合わせをしなければならず、大変不便です。
ちなみにカードキーは、深夜のホテル1階入口や、大浴場の入場時にも必要です。
客室階のエレベーターホール
ホテルの客室は10〜15階に位置しています。
今宵の部屋は最上階の15階でした。
客室階の廊下
このホテルは「プレミア」と冠されるだけあって、三井不動産グループのホテルチェーン「三井ガーデンホテルズ」のプレミアクラスの施設で、より快適で上質な空間とサービスを提供しているとのことです。
そんなワケもあってか館内のインテリアもどこか高級感を意識した雰囲気になっていますが、全体を通して色彩と照明が暗めだと思いました。
フロア図
避難経路図です。Aの字型をしたレイアウトです。
避難階段の位置がちょっとわかりづらいですね。
こういう複雑なレイアウトの場合は念の為、寝る前に場所を確認しておいたほうが安心です。
このご時勢、なにが起きるかわかりません。海外と違いセキュリティーチェックなどありませんから、可燃性物質を持ち込む輩がいないとも限りません。
扉まわり
シックな色合いの壁紙や建具です。清掃札はマグネットタイプです。
主電源はカードキーをスロットに差し込むタイプです。
コートなどをかけるフックは折りたたみ収納式です。


入口付近から客室を見た様子です。
ご覧になってお分かりかと思いますが、このホテルの特徴はバス・トイレ・洗面が独立していることです。
水回りの様子については後述します。
モデレートダブル
客室面積は20㎡。一人で利用する分には充分なスペースがあります。
別角度から見た部屋の様子です。
インテリアで高級感を醸し出そうとしているのかも知れませんが、悪い言い方をするとブティックホテルのように見えなくもありません。
黒や紫色、それでいて表面に光沢のある素材を使っているから、そのように思えるのかも。
ベッド
ベッドのサイズは1,510 x 1,970mmのダブルベッド。
マットレスはシーツをめくっていないので未確認ですが、恐らく三井ガーデンホテルなのでサータ社製だと思います。
またベッドの下には間接照明が仕込まれており、室内灯を消すとベッドが浮かび上がっているように見えなくもありません。
枕は三井ガーデンホテルのオリジナルタイプです。
個人的にホテルのオリジナル枕は苦手ですが、三井ガーデンホテルのオリジナル枕に関しては、幸いにも寝づらいと感じたことはありません。
サイドテーブル
ベッドの両サイドにサイドテーブルがあります。
向かって右側のサイドテーブルがメインの扱い。
枕元の各種照明スイッチです。
コンセントはACとUSBが備わっています。
サイドテーブル下の引き出し内には携帯電話充電用のケーブルと延長コード、そして非常用のハンディライト。
たまに非常用ハンディライトなのに、枕元から遠く離れたクローゼット内にあるホテルがありますが、あれはどういうつもりなのだろう?
ベッドに向かって左側のサイドテーブルです。
こちら側に照明スイッチは無く、コンセントのみです。
時計は置き時計タイプです。
机まわり
ワーキングデスクはなく、ソファセットに付随するテーブルとなります。
ガラストップのテーブルです。
机上には三井系のホテルではお馴染みとなった感染対策用のビニールごみ袋。
壁付のソファは背もたれが分厚くて座り心地は良いです。
クッションの色や素材のビロード感が、これまた水商売的な雰囲気を醸し出しています。
椅子は肘掛けが片側のみにある形状なので、わざわざ椅子を引かずとも腰掛けることができる考えられたデザインでした。
こちらのクッションの柄は、洒落ていて素敵だと思います。
艶ありの紫色クッションよりも、こちらのデザインで統一すれば良かったのにと思いました。
ベッドの足元側の様子です。
室内のデザインは、柔らかな陰影と深い艶の中に東洋の神秘性と日本の伝統美を表現しているそうです。
なるほどテレビ横にあるバーカウンターのオレンジ色のガラスは、江戸切子模様ということでしょうか。
また壁紙の凹凸は日本橋川の波打つ水面ということなのかもしれません。
テレビは43インチの液晶。
館内の情報などが見られるテレビです。
大浴場の混雑状況がわかります。
自分は風呂嫌いなので利用することはありませんが、風呂好きには便利な機能だと思います。
ちなみに大浴場は25時〜6時は閉まっています。
ナイトウェアやスリッパでの移動は可能です。
タオルやアメニティ類は部屋のモノを持ち出します。
バーカウンター
ガラスを多用した高級感のある棚です。
ガラス戸棚の中身です。
ビジネスホテルにこんなに必要か?と思うほどグラス類は充実しています。
棚には電気ポットが。
引き出しの中にはティーバッグ。
緑茶に紅茶、そしてドリップコーヒーなど一通り揃っています。
コンプリのミネラルウォーターです。
三井ガーデンホテルと言えばキリンの缶入りが常ですが、プレミアだからでしょうか?いつもと違ったミネラルウォーターでした。
冷蔵庫はバーカウンターの最下段の扉の中にあります。
内部は空っぽです。
通常の三井ガーデンホテルであれば、冷蔵庫内に冷えた缶入りミネラルウォーターがあるのですが、それが無いために喉の渇きが堪えます。
基本的に黒色ベースのインテリアということなのでしょう。
バゲージラックやゴミ箱も黒色に統一されています。
ティッシュケースも鏡にいたっても黒色で徹底しています。
空気清浄機も黒色でした。
しかしツヤツヤの黒色のために、ホコリがものすごく目立ち不潔感が半端ないです。
ところが一転してエアコンの操作部は白色です。
このへんの統一感の無さはなぜに?
クローゼット
客室を入ってすぐ横に、姿見の付いた引き戸があります。
引き戸を開けたクローゼット内部の様子です。
三井ガーデンホテルではオープンタイプのクローゼットが多いのですが、プレミアだからでしょうか?わざわざ扉付きでした。
アイロン台とアイロン。
これまで宿泊時にコレを使ったのは数回しかありません。
ハンガーと消臭スプレー。
ナイトウェア
ナイトウェアはパジャマタイプ。
麻の葉模様をあしらったオリジナルの手ぬぐいと足袋も用意されていました。
下段にはセーフティボックス。
使い捨てスリッパと、使い回し方式のサンダル。
非常用ランタン。念の為点灯チェック。
眺望
窓まわりは遮光と透過のロールカーテンが2種類。


窓の開閉はごくわずかです。多少の換気ができる程度と思ってください。


内部屋だったのでホテルの向かいの壁が見えるのみです。
見下ろせば9階の中庭が見えます。
日中の風景です。
近接する高層ビルがありますが離れているのでプライバシーは保たれているのではないでしょうか。


水回り
洗面やお手洗いなどが独立したタイプの部屋です。
最近は、この手の部屋が増えてきたのは嬉しい限りです。
洗面台
シンクは信楽焼の特製洗面ボウルとのことです。
確かにおしゃれではありますが、径が小さいので顔を洗う際に周りに水が飛び散らぬように注意しなければいけないのが面倒です。
洗面台下のワゴンに、タオルやアメニティが収められています。
洗面下の引き出しにもタオルがありました。
巾着に入ったアメニティ。中身は三井ガーデンホテル共通です。
袋入りのドライヤーはパナソニック製。
洗面の向かいにシャワーブースへの入口、左側はお手洗い。
お手洗い
お手洗いは広々としています、
リクシル製のタンクレスのウォシュレット。
ウオシュレット操作部はリモコン式です。
シャワーブース
モデレートよりも上位の部屋にはバスタブがありますが、こちらの部屋はシャワーブースのみとなります。
お風呂に入りたければ大浴場があるので、これで充分なのかもしれません。
レインシャワーも備わっています。
シャワーブース内から見た様子です。
シャンプー類はミキモトコスメティクス製です。
朝食「浅田」
さて、三井ガーデンホテルは朝食に力を入れています。
こちらのホテルもご多分にもれず、金沢に店を持つ「浅田」という和食店がホテル内にあります。
ディナータイムだとなかなか利用するのに躊躇する価格帯の店ですが、朝食ビュッフェなら3000円以下で利用でき、朝食ビュッフェの写真を見る限りでは品数も多そうなので期待していました。
しかし、温かいおかずは料理人がその場でつくる”だし巻き卵と焼き魚”程度で、ソレ以外は小皿に乗った冷菜、おつまみといった品ばかりで、あまり美味しいとは思えませんでした。
さらに残念なことに、お一人様にいたっては入口を入ってすぐ横のカウンター席に並べられ、なんだか牛丼チェーン店にいるかのようで、のんびりと朝を楽しもうという雰囲気ではありませんでした。
テーブル席ならば、のんびりとしようものですが、隣に他のお客さんがいるような環境では、そのような気分にはならないものです。
また平日にも関わらず小さな子供連れのご家族も多く、朝から元気な声が店内に響き渡るので、優雅な朝という雰囲気とは程遠かったのもあります。
やっぱりここはプレミアと言う名のビジネスホテルなんですね。
朝食に力を入れている三井ガーデンホテルの中で、美味しかったと思えたのは京都の四条河原町にあるホテルです。
三井ガーデンホテルで日本橋という立地にこだわるのであれば、ここしかありませんが、同じ三井ガーデンホテルに線路を挟んで西側に三井ガーデンホテル大手町という店舗があります。
日本橋のような華やかさこそありませんが、比較的低料金なのでコスパは良いと思いました。