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【宿泊記】シークエンス宮下公園 / 三井系の新ブランドだが次世代型で居心地悪し sequence MIYASHITA PARK

「ダブル」

いろいろとあった渋谷区立宮下公園の再開発によって新しく生まれ変わった宮下公園の中に、シンボルのようにそびえ立つのが「シークエンス宮下公園」です。

地上18階建て、客室数は全240室。

名前だけ聞くと、ホテルと付いていないので、どこかのマンションかと思ってしまいます。

 

ホテルの運営は三井不動産ホテルマネジメント

ホテルの開業は2020年6月11日の予定でしたが、少し延期されて2020年8月1日。

三井不動産株式会社と株式会社三井不動産ホテルマネジメントによる、新ホテルブランド『sequence(シークエンス)』の記念すべき第1号店です。

その後8月7日には2号店となる京都五条、秋には水道橋にも3号店が開業しました。

ちなみにシークエンスホテルの店舗名を漢字で表記していますが、正式にはホテル名を含めてすべてがアルファベット表記のようです。

『sequence | MIYASHITA PARK』、『sequence | KYOTO GOJO』そして『sequence | SUIDOBASHI』となります。めんどくさ…。

たまに検索の際に、ホテル名の表記が一致しないと引っかからない場合があるので、そのようなホテルになりませんように。

パブリックスペース

ホテル外観

ホテルは渋谷駅と明治神宮前駅の中間付近に位置しており、駅から徒歩でアクセスすることを考えると、渋谷の雑踏を抜けるより明治神宮前駅から歩いたほうが気分的に楽だと思いました。

私は人混みが苦手なので、普段から渋谷界隈にはなるべく近づかないようにしています。

よって今回も明治神宮前駅から明治通りを歩いてホテルに向かいました。

終電間際の時間帯ということもあって、通りにはほぼ人がおらず歩きやすかったです。

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あらかじめホテルの入口をホームページで確認していたから良かったものの、何も知らなければ入口を探すことになるのでは?と思いました。

エレベーター

1階にあるホテル専用入口からエレベーターでフロントのある4階へ向かいます。

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フロントのスタッフは午前0時過ぎだと言うのに明るく接客してくれました。

スタッフは皆一様に若い人ばかりです。最近この手のホテルが増えましたね。

明るく元気があり、そして初々しさも感じられて気分が良いです。

私も初心を思い出して、明日は頑張ろう!という気持ちにさせてくれます。

こちらのホテルの特徴としてセルフチェックインがあります。

あれこれとタブレットで記入していきますが、こういうのに慣れていない世代には敷居が高いホテルだと思いました。

また支払いはカードもしくは電子決済のみで現金は受け付けていないのも特徴です。

客室アメニティに関してはフロント階にあるアメニティバーから持っていく方式です。無駄を減らせる取り組みで結構なことですが、荷物が多いときは不便なのよね。

カードキー

客室階にはカードキーをかざさないと止まらないセキュリティ仕様になっています。

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フロント階から客室階までは、1階入口から乗ったエレベーターとは別になります。

この手の構造の場合、外出時にエレベーターの乗り換えが必要ですが、このホテルは4階から宮下公園に出られます。

とは言え公園から街に出るには、結局どこかで1階まで降りなければいけませんが。

客室階のエレベーターホール

今宵の部屋は12階でした。18階建てホテルですから中層階といったところでしょうか。

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客室階の廊下

ダウンライトに照らされた壁面の陰影とカーペットの色がシンプルで都会的です。

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フロア図

避難経路図です。ロの字を基本にして、3本のヒゲが生えた様なレイアウトです。

避難階段は中央に1箇所のみです。240室あるホテルにしては少々心もとない。

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扉まわり

清掃札は無く、Don'tDisturb札のみです。

一方で、デカデカと扉に貼られているのはホテル5階にあるレストランの案内です。

デザインにこだわっていそうなホテルですが、こういうところは無頓着なんですね。

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ダブル

ドアを開けたらすぐにベッドが視界に入ります。

部屋を見た第一印象は「狭っ!」

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ベッドの頭側から見た部屋の様子です。

客室面積は13.7㎡なので、狭めのビジネスホテルと同じです。

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ベッド

ベッドのサイズは137cm×196cmのダブルサイズです。

ちなみにプレスリリースには139cm幅の記載でした。

たかが2センチされど2センチです。どうした?

ちなみにこのベッドですが、床からわずかに高い上げ床にマットレスが敷かれているだけなので、全体的に低く、ベッドから立ち上がる際が少々面倒です。

足腰が弱いとキツイかも。

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枕は1種類のみ。ダブルの部屋なので同じものが2個あります。

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ヘッドボード

サイドテーブルは無くヘッドボードのみ。

スイッチやACコンセント、USBコンセントなどが埋め込まれています。

照明スイッチに関してはエントランスとリビングのみなので、後述する洗面所の照明を点けたままだと、消灯後に気づいて洗面所まで消しに行く羽目になります。

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ベッドサイドの読書灯は間接照明タイプです。

なんだか皆既日食を見ているようです。

読書灯に限らず、室内照明が雰囲気を重視しているためか、全て点灯させても薄暗くて目が悪くなりそうでした。

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ナイトウェア

ナイトウェアは着心地の良いパジャマタイプでした。 

こうした点は若者向けのホテルで良かったと思う点です。

たまにビジネスホテルなのに浴衣の場合がありますが、個人的に浴衣は寝ているうちにはだけてしまい、朝起きたら半裸状態になっていることが多く苦手です。

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クローゼット

クローゼットはありません。

オープンタイプというわけでも無く、客室を入って左側、洗面台の横に服を掛けるスペースがある程度です。

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ホテルのロゴが刻印された木製のハンガーが格好いいです。

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部屋の入口にあるトグルスイッチはエントランスとリビングの照明スイッチです。

特にカードキーを差し込むような必要はありません。

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壁のアート作品も部屋の雰囲気作りに一役買っています。

作品の質はともかく、各部屋ごとに違う作品が飾られているのでしょうね。

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エアコン

三菱電機製エアコンの操作部は最新式です。

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エアコンそのものは天井埋込式ではなく、家にあるものと同じ。

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机まわり

このホテルで最も困ったのがコレ、机ではなく”台”です。

つまり椅子はありません。机に向かっての作業ができません。

パソコン作業をするなら膝の上でやれということでしょうか。

私はその体勢だと肩が凝るからダメなんです。

またパソコンのみならず、紙とペンで作業をすることもあるので、机が無いという点は正直不便でした。

最近のビジネスホテルは昔ながらのワーキングデスクが省略されて、丸テーブルなどの簡易的で小型の物にすることで、客室面積を少しでも有効利用しようとする部屋が多い気がしますが、まさかテーブルそのものが無いとは思わなかったです。

このホテルはビジネス目的ではない客層を意識したホテルということなのでしょう。

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台の上にはモニターが2つ。

ひとつはパナソニック製のポータブルテレビです。画面が小さくて使いづらい。

スマホの画面サイズに慣れている世代にはこのサイズで充分ということなのか?

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もうひとつはタブレットです。

目覚まし時計などもこれを利用します。

でも最近は個人のスマホを使うことが多いので、ホテルの時計を使う機会はなくなりました。

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ホテル情報など詳しいことはタブレットを参照せよとのことです。

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案内の木札はナイスアイデアですね。

紙だとすぐにボロボロになりますが、これなら長持ちしますね。

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ティーセット?

台の引き出しにはカップが収納されています。

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台の下には電気ポットがありました。

しかしティーバッグがありません。

ビジネスホテルのティーバッグなどオマケのようなものではありますが、個人的には就寝前のひと時に熱いお茶を飲んでリラックスするのが楽しみなので、これもまた戸惑いました。

電気ポットとカップがある以上はティーバッグがあるものと思い、狭いながらも複雑なインテリアの部屋だったので、どこかに隠されているのではないかと部屋の隅々まで探すことに。

ひょっとするとフロント階のエレベーター前にあるアメニティバーにあったのかも?と思いましたが、わざわざ取りにエレベーターにのってフロントまで行くのも面倒です。(結局ティーバッグ類のサービスは無いようです)

次世代型ホテルでは、ティーバッグなどは各自で持ち込みということでしょう。

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眺望

窓はとても大きいです。天井から床面近くまで広がっています。

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カーテンはレースと遮光カーテンの2枚。

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窓外は渋谷のシティビュー。東向きの部屋です。

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こちらは翌朝の様子です。ホテルの真下を山手線が走っています。

実はこれが一番のマイナス点でした。

思いのほか電車の音が聞こえてきます。12階の部屋ですから線路からそこそこ離れているにも関わらず、こんなにうるさいのかと驚きました。

音に敏感な方は線路の反対側の部屋にしたほう無難です(指定できれば)。

終電後も保線の作業音が遅くまで響いており、気になる人には相当な耳障りでしょう。

窓にしっかりと防音対策を施したほうが良かったのではないかと思います。

同じシークエンスホテルでも水道橋に宿泊した際は、二重窓になっていることもあって、線路のすぐ隣の部屋でしたが電車の音はほとんど気になりませんでした。

ひょっとするとシークエンス宮下公園も線路に近い階下の部屋は二重窓になっているのでしょうか?

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日中の眺めです。ガラスに印刷された文字を入れ込んで撮影してみました。

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窓はもちろん開きません。そしてサッシ部分が結露していました。

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水回り

イレギュラーな水回りとなります。

洗面台と冷蔵庫やセーフティボックスが混在しています。

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洗面台

洗面ボウルは角型で大きく使いやすかったです。

このホテルで数少ない使い勝手のよい設備のひとつです。

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アメニティ

歯ブラシだけは客室にあらかじめ常備されています。

ミネラルウォーターはホテルのオリジナルラベルが貼られたものでした。

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洗面台の下部にはガラス扉の冷蔵庫。

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そしてセーフティボックス。

三井系ホテルですが三井ガーデンホテルに設置してあるブランドと違うものでした。

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本来はクローゼットに収まっていそうなものが洗面台下の棚に置かれています。

消臭スプレーと使い捨てスリッパ、そしてゴミ箱です。

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ホテルオリジナルのロゴが刻印されたサンダルもあります。

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ドライヤーは袋入り。

サロニアのスピーディーイオンドライヤーという製品でした。

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水回り その2

お手洗いとシャワーブースがセットになっています。

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ブース内はシャワーカーテンで仕切ることができますが、便座に水がかからない程度です。床面はカーテンの下から水が入ってきてビチャビチャです。

またカーテンを閉めると圧迫感があるほど狭くなります。

頭を洗う時などは肘がぶつかります。

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シャワーブース 

奥に見える洗面台との間はガラスで仕切られています。

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大きなレインシャワーも備わっています。

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シャンプー類はホテルオリジナルのボトルに入っています。

中身がどこの製品かは不明です。

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タオルはバスタオルとフェイスタオル。

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お手洗い

ウォシュレット操作部はリモコンタイプです。

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新しいホテルではありますが、既存のホテルとかなり違うサービス体系と客室設備だったので、いつもながらのビジネスホテルを想像していただけに正直面食らいました。

三井不動産グループが気鋭のクリエーターとの共創による、新しい滞在価値を提供するための新ブランドホテルですから致し方ないのかもしれません。

ちなみにプレスリリースにはシークエンスのターゲットと構想の理念について以下のように記されていました。

ライフスタイルや価値観の多様化が進む中、社会的潮流やトレンドに興味を持ち、自身のスタイルへ積極的に取り入れる人々が国内外・世代を問わず増えています。当社グループは、こうした多様化する人々のニーズに応える“新しい形のホテル”を目指し、社外のクリエーターとタッグを組み、それぞれの強みやノウハウを活かすことで、新ホテルブランド『sequence』の構想に至りました。
“個性と個性がそれぞれのスタイルをお互いに受け入れ、やさしくつながることで文化が生まれる”。そのような場所を生み出すことが『sequence』の目指すべき姿であると考え、“やさしいつながり”という理念を掲げました。新しい気づきに出会い、その場所ならではの考えが浮かび、多様な体験のきっかけとなる、そのような“やさしくつながる”特別な空間や体験を提供してまいります。

 

どうやら私にはこのホテルの滞在価値とは合わなかったようです。

唯一、17時チェックイン・12時チェックアウトは、夜型人間の私には合っていると思いました。

渋谷という立地もありますが宿泊費が少々お高めなので、これだけ払うならもっと快適で使いやすいホテルが他に多々あるなと思った次第です。