「スイート」
これまでに国内外の様々な土地を訪ねてきましたが、海外の街ではおそらくウィーンが最も長く滞在したことのある街だと思います。
連続して1ヶ月近く滞在していた時は、路線図を見ることなく地下鉄やトラム、バスを乗りこなせるほどになっていて、なんだかウィーン市民になったような気分になりました。
ウィーン滞在中は、それこそピンからキリまでいろんなホテルを利用しましたが、最も利用していたのがこちらの「ホテル・ザッハー」です。
ホテル外観
パブリックスペース
客室階のエレベーターホールと廊下です。
開業当初の建物に加えて、近隣の建物もホテルとして拡張していった名残でしょうか、廊下の奥を見るとわかりますが、フロア内に段差が生じて途中に数段程度の階段があります。スーツケースがあると不便です。
2階はスイートだらけです。
客室は音楽に関係のある名前が付けられています。
客室階の廊下
床の絨毯や壁紙などの装飾が凝っています。
廊下に置かれている家具も館内の優雅さに一役買っています。
昔の客室に置かれていた家具なのかもしれませんが、捨てること無く、こうして丁寧に保管され修繕されている点にホテルの歴史を感じます。
LUCIO SILLA スイート
211号室のLUCIO SILLA SUITEです。
部屋番号のみならずスイートの名称がプレートに記されています。
リビングスペース
LUCIO SILLAスイートは2ルームという案内でしたが、個室で仕切られているわけではなく、寝室とリビングは繋がった形になっています。
ジュニアスイートってところでしょうか。
ベッドスペース
リビングもベッドも大きいので、国内のホテルであったら間違いなくスイートになりそうなゆとりが感じられます。
机まわり
いわゆるワーキングデスクはリビングスペースにあります。
これは飾り的な要素の机になるのでしょうか?
海外の高級ホテルは小市民にとっては使途不明な設備があって迷ってしまいます。
普段はシャンデリアとは無縁の生活を送っているので、このような物を見ると特別感を抱いてしまいます。
装飾的な点に感嘆するよりも、むしろ天井に取り付ける際の重量的な観点からの心配と、パーツをひとつひとつ清掃する手間を考えたりします。
フレンチブルドッグ?でしょうか。
このホテルのかつての支配人だったアンナ・ザッハーが飼っていたのがフレンチブルドッグでした。
ちなみに、ホテルザッハーは愛犬などのペットと共に宿泊できるサービスがあります(現在も継続しているかは不明です)。
客室に犬用のケージ、餌、餌入れなどが用意されているそうです。
通常の宿泊費に加えて35ユーロ追加されます。
こちらが愛犬家であり、ホテルの各所で見られるアンナ・ザッハーさんの肖像画です。
レストラン
ホテル内のレストランです。
これは朝食時に撮影したものですが、こちらのレストランは宿泊客以外でも利用が可能で、朝食を兼ねたミーティングで利用している方が見られました。
その後もホテルザッハーでは様々な部屋に宿泊しました。
この頃はこまめに部屋の様子を撮影しておらず、客室の名称なども記録していなかったので今となっては詳細は不明です。
部屋ごとに違う壁紙や家具など、インテリアの差異を楽しんでいました。
こちらは青色を基調とした部屋でした。
一方でこちらはオレンジ色を基調とした部屋でした。
ローテバー
とにかく色使いがはっきりとしたホテルです。
昼食は赤色のインテリアが特徴の「ローテバー」でいただきました。
ローテバーは表通りに面しており、ガラスから差し込む光があって店内は明るいです。
皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が見守るテーブルです。
まばゆいばかりの赤い空間です。
ここまで徹底していれば完璧だと思います。
料理が来ました。旅先ではひと通り名物料理を食べます。
注文したのは牛肉と野菜の煮込み料理「ターフェルシュピッツ」。
テーブルサイドで丁寧に盛り付けてくれます。
これはまた別の部屋の様子です。
色彩は抑えられています。個人的にはビビッドな色使いよりも、こうした色彩の部屋の方が落ち着きます・
ヘッドボードに鏡をはめ込んでいるので、客室が広く見えました。
客室のシャンデリアです。
部屋ごとにシャンデリアのデザインが違っているようです。
カフェ・ザッハー
ホテル・ザッハーの滞在の楽しみと言えばなんといっても併設のカフェでしょう。
ホテル・ザッハーの代名詞とも言えるザッハトルテを味わいます。
メニューはウィーンのカフェではお馴染みの新聞バインダーを模したものです。
ウィーンのカフェで楽しむ定番中の定番メニューです。
ザッハトルテとウィンナ・コーヒー。糖分の摂りすぎですが、まぁいいでしょう。
生クリームのおかげで濃厚なチョコレートケーキを飽きること無く完食できました。
カフェ・ザッハーの廊下には、店やホテルを訪れた著名人のサインが刺繍されたテーブルクロスが飾られています。
皇帝のサインとのことです。
こちらは薄いグリーンが特徴の部屋です。
この色は、以前に泊まったことのある他の客室でも度々見受けられました。
ソファの色も落ち着きがあります。
緑色を基調としたジュニアスイートの宿泊記
ブルーバー
ホテル内のバーは「ブルーバー」という名称です。
まさに青色で彩られた空間になっています。
シャンデリアがまた見事な造形です。
館内のシャンデリアをひとつひとつ確認するのも楽しいかもしれません。
散策を終えてのどが渇いた時に、よく飲んでいた「アインシュペナー」。
ブルーバーでもザッハトルテを食べることが出来ます。
人気観光地でもあるカフェ・ザッハーは常に混雑しているので、例え宿泊客であっても利用するには行列に並ばなければいけません。
一方でブルーバーは奥まった場所にあるため、宿泊客以外の利用は見受けられず、いつも空いていました。
ここで注文をすれば、カフェ・ザッハーからザッハトルテが運ばれてきます。
ザッハトルテのチョコレートに刻まれたホテル・ザッハーの刻印。
ゴージャスな雰囲気にライトアップされた夜のホテル外観です。
眺望
ホテル最上階のテラスに上がれば、ウィーンの旧市街を一望できます。
奥に伸びるのがケルントナー通り、トラムが走る横に伸びる道がリング通りです
南側の目の前にはウィーン国立歌劇場。
北の方角にはシュテファン大聖堂が見えます。
西の方角にはアルベルティーナ。
周囲をウィーンの観光名所に囲まれたホテル・ザッハーは、まさにウィーンを代表するホテルのひとつでしょう。