芦ノ湖の遊覧船です。
芦ノ湖には小田急箱根ホールディングスの完全子会社である箱根観光船株式会社と西武系の伊豆箱根鉄道の芦ノ湖遊覧船の2社が芦ノ湖で旅客輸送を行っています。
もはや芦ノ湖の代名詞とも言える存在の海賊船ですが、乗船したのはおそらく小学生以来のことでした。
当時の記憶はほとんどありませんが、船上から望む風景などは特に変わっていないでしょう。
1泊2日で箱根を訪れた際に、「箱根フリーパス」を購入したので、積極的に箱根の乗り物を乗りまくって元を取ろうと意気込んでいました。
まずは小田原駅から箱根新道経由のバスで箱根町港を目指しました。
出典:箱根ナビ 箱根海賊船
バス車内で海賊船の時刻表を確認するべく箱根ナビを見ると、強風につき元箱根港を抜港との情報が出ていました。
知らなかったら元箱根港のバス停で下車して、途方に暮れているところでした。
バス車内のアナウンスでは特にそのことについての案内はありませんでした。
商売敵である伊豆箱根鉄道の遊覧船情報を案内しないならまだしも、同一グループなのだからその辺の情報共有はあっても良いのにと思いました。
バスの終点の元箱根まで行かずに、途中の箱根町港で下車して船乗り場へ向かいます。
平日にも関わらず乗り場には40人ぐらいの乗船待ちの列が出来ていました。
抜港が発生するぐらい風が強い日でしたが、行列は建物内で収まっているので寒さに震え上がるようなことはありませんでした。
遠くに富士山を望む桟橋には、就航している3隻の中で最も新しい「クイーン芦ノ湖」が係留されていました。
やがて桃源台港を出た「ロワイヤルⅡ」が箱根町港に到着しました。
2013年3月20日に就航した船で、右側の「クイーン芦ノ湖」が金色が目立つのに対して、「ロワイヤルⅡ」は赤色と白色が目立つデザインです。
子供の頃のイメージで箱根海賊船と言えばこのカラーだったので、どこか懐かしさを感じます。
下船客が桟橋上からいなくなると改札が始まりました。
乗客が少ないこともあって船内の座席は選び放題といった具合です。
私は階段を上がってすぐのところにある座席を選びました。
船室の前方は別料金が必要な特別船室ですが、船内が空いているだけに、利用客はいなさそうでした。
桃源台を目指して進みます。
進行方向の右手には駒ケ岳と「小田急山のホテル」が見えます。
翌日は桃源台港から乗船しました。
芦ノ湖を眺めていると頻繁に船が行き交っているように思っていましたが、実際はそれほど便数はなく、平日は5往復、土休日でも9往復しかありません。
しかも始発は午前9時50分とのんびりしており、最終便は平日に至っては15時50分とかなり早いです。
元箱根港には昨日以上に乗客が少なく、10人に満たなかったのではないでしょうか。
また往復利用で芦ノ湖の湖上遊覧を楽しむ方も結構いるようでしたが、乗船したのは桃源台港を15時50分に出る最終便なので箱根町港で運行は打ち切りになることを係員に聞かされて諦めている人を何組か見ました。
本日の船は「クイーン芦ノ湖」でした。
2019年4月25日に就航した新しい船で、水戸岡鋭治さんのデザインによるものです。
確かに言われてみれば水戸岡氏のデザインらしさを感じますが、元々海賊船の装飾が氏のデザインの雰囲気と似ている感じもするので、特に水戸岡色を強く感じることはありませんでした。
途中で昨日乗船した「ロワイヤルⅡ」とすれ違いました。
さらに伊豆箱根鉄道の遊覧船ともすれ違いました。
あちらは双胴船がウリですが、見た目が地味です。
何よりも現在は湖尻までの航路が休業中なので使い勝手が悪いです。
観光目的であれば、見た目も楽しげな海賊船を選びたくなるものです。
そう言えば、船の設計技師を父に持つ知り合いが子供の頃、箱根に来ても父親が設計した伊豆箱根鉄道の船しか乗らせてもらえないと嘆いていたのを思い出しました。
子供なら間違いなく海賊船を選ぶでしょうね。
子供の頃を懐かしむ25分の船旅でした。