デラックス キング
ウィーンにある5つ星ホテルの「ホテルインペリアル」に宿泊しました。
リング沿いにあり街の中心に建つ歴史あるホテルです。
マリオット・インターナショナルが展開するブランドの中でも、最上級カテゴリーに位置付けられるホテルブランド「ラグジュアリーコレクション」のホテルです。
ホテルは元はヴュルテンベルク王子の宮殿として使われていたもので、ウィーン最高級のホテルのひとつで、一流のサービスと歴史ある館内のインテリアは必見です。
そんな高級ホテルですが、ホテルまでのアクセスはタクシーに乗らず、いつもどおりに公共交通機関で向かいます。
ホテルはリング沿いにあるので交通の便はは至って便利です。
ウィーンの可愛らしいトラムに乗って「シュワルツェンベルグプラッツ停留所」で下車しました。ここが最寄りの停留所になります。
パブリックエリア
歴史を感じる建物は気品あふれるライトアップによって、荘厳な雰囲気が漂っています。客室は全136室、そのうち半分近い62室がスイートです。
ロビー
2階まで吹き抜けになっているロビー周辺の様子です。
フロントはレセプションとコンシェルデスクが並んでいます。
宿泊客は少ないのでしょう、チェックイン待ちで行列が出来るようなことは滞在中一度も見かけませんでした。
ちなみにこちらのホテルはウィーンで唯一のバトラーサービスのあるホテルです。
ロビーを2階から見た様子です。まさに貴族の館といった雰囲気の館内。
高い天井から吊り下がるシャンデリアが周囲をほんのりと優しく照らしています。
ラウンジ
館内を更に奥へ進むとラウンジがあります。
一角にはインペリアルバーもあるので、飲み物をいただきながら豪華なラウンジでまったりとすることも可能です。
見上げればとても大きなシャンデリアが天井からぶら下がっていました。
これが落ちてきたら間違いなく潰されそうです。ホラー映画によくあるシーンの様に。
花瓶は瓶底が恐ろしいほどに分厚く、落としても割れないのでは?と思うぐらい立派なでした。まさに「鈍器のようなもので…」という表現にピッタリの花瓶でした。
こういうホテルに泊まった作家が、ミステリーとかのネタを思いつくのでしょうか?
東横インとかだと、どれもペラい物ばかりで凶器になりえる備品ってあったかな?
ラウンジの花はスタッフが毎日早朝に取り替えているようで、いつ訪れても綺麗な花が飾られていました。
このホテルの見どころの一つがパブリックエリアのゆとりでしょう。
中でも圧巻なのは、1階から2階へと続く階段の周辺です。
写真は1階から階段を見上げた様子です。
踊り場には「ドナウの女神像」のレプリカが飾られています。
本物の女神像は近所のスタッドパーク内にあります。
2階から見下ろした踊り場周辺の様子です
ラグジュアリーコレクションホテルならではの豪華な建物は、1863年にヴュルテンベルク王子のウィーン邸宅として建設されました。
その後1873年にウィーン万国博覧会のために「ホテルインペリアル」として開業。
ウィーン初の高級ホテルとして、開業以来、王室や政治家その他の国際的な著名人を数多く迎え入れ、ウィーンの迎賓館としての役割を担ってきました。
ココにも巨大なシャンデリアが吊り下げられています。
館内はいたるところにクリスタルのシャンデリアがあります。
ひとつの建物内にこれほど数多くのシャンデリアがあるホテルは、世界広しと言えど多くは無いのでは?
「ホテルインペリアル」のインテリアは、19世紀のウィーンのロマンを、手付かずの大理石、手彫りの彫像、まばゆいばかりのシャンデリアで表現しています。
ちなみに石材をふんだんに使っているかのように見えますが、一部はプリントです。
見上げれば獅子と鹿が向かい合って盾を支えている紋章があります。
これはホテルの前身となる宮殿の持ち主、ヴュルテンベルク王国の紋章だそうです。
かようにホテル内は歴史的な装飾に彩られています。
ロビーと客室の間をエレベーターでただ行き来するのみではなく、館内を散策することをぜひともオススメします。
そして皇帝フランツヨーゼフと、みんな大好きエリザベートの肖像画も飾られています。
ホテルの廊下には古いウィーンの地図が飾られていました。
丸印で囲まれている場所に、「ホテルインペリアル」が位置しているそうです。
歴史あるホテルだけに1階の廊下にはプレスコーナーなる展示がありました。
建設時の貴重な写真なども展示されています。
150年以上前の建物が、こうしてしっかりと現存していることに驚かされます。
当時のお皿でしょうか。これもアウガルテンなのかな?
ウィーンの迎賓館として各国のVIPが利用してきたホテルです。
エリザベス女王が使用したカトラリーなども展示されていました。
マーブルホール
館内には様々な宴会場があります。使われていない時は覗き見ることも可能でした。
こちらは面積105㎡のマーブルホール。
照明の効果もあって大理石が黄金に輝いているように見えます。
壮大な3本の大理石の柱が特徴的な素敵な空間でした。
豪華な装飾が施されたアーチ、壁の鏡、華やかなアーチ型の天井から吊り下げられたクリスタルのシャンデリアなど、この空間に身を置けば、まるで貴族になったような錯覚に陥ります。
パブリックエリアをうろつくのはこの辺にして、そろそろ客室へと向かいます。
客室の鍵はカードキーではなくてキーホルダータイプでした。
でも鍵本体はご覧のような電子錠になっています。
デラックスキング
クラシカルな装いのインテリアです。
ヨーロピアンスタイルを取り入れたホテルは多々ありますが、こちらは正真正銘の歴史あるホテルだけに、宮殿風に似せた作り物ホテル(日本国内のウェスティンとか)にありがちな安っぽさを感じさせません。
ターンダウン後の様子です。
貴重なアンティーク家具やファブリックで装飾されて歴史的な客室ですが、一方で現代のホテルに欠かせない、電気ケトルやコーヒーマシン、WiFi、Bluetooth、テレビなど、快適な滞在に欠かせない客室設備はしっかりと最新の装備がなされています。
宿泊客は観光客のみならず、ビジネス客も多いでしょうから大切です。
ベッド
ベッドのサイズはキングサイズでゆったりです。
ターンダウンが済んだベッドの上には、翌日の天気予報や朝食のオーダー表などがセットされています。
ちなみに写真を取り忘れましたが、毎朝部屋に配布される新聞はアイロンでプレスされていました。
これは昔からの伝統だそうです。確かに新聞を手にした感触はヨレっとしておらず、パリッとしていて手触りが良かったです。
サイドテーブル
ミネラルウォーターとナイトチョコレートならぬナイト・トルテが置かれていました。
ライトのスタンドの基部がガラス製なので、寝ぼけ眼でぶつかって転倒させて壊さぬよう要注意でした。とっても高価そうですから。
机まわり
アンティーク家具といった感じの机です。
机も椅子も鏡も、どれも立派なものでした。
ソファ
クラシカルな雰囲気のソファセットです。
水回り
水回りも大理石調のインテリアです。
シャワーブース
バスタブ以外にシャワーブースもあります。
アメニティ
シャンプーなどのアメニティはブルガリ製です。
石鹸やマウスウォッシュもブルガリ製でした。
お手洗い
広々としています。
普段は風呂嫌いでカラスの行水ですが、素敵なお風呂だったので、オプションにてロクシタンを使った薔薇風呂を頼みました。
スタッフがやって来て、浴槽にお湯を張り、ローズオイルなどを入れて、さらに薔薇の花弁なども散らした、なんともおしゃれなバスタイムとなりました。
なんと言っても香りが良かったです。
レストラン
バラの香りに包まれた後は、ホテル1階にあるレストランで夕食をいただきました。
店内に入ったときは「あれ準備中?」と勘違いするほど暗かったです。
でもテーブル上の必要なところにはダウンライトが当たっていたので、手元と料理は良く見えて、食事をする分には何ひとつ不便は感じませんでした。
皇帝フランツ・ヨーゼフに見守られながらの厳かなディナーとなりました。
食器にホテルの刻印が施されています。格好いいです。
ちなみにレストランには閉店時間がありますが、インルームダイニングは24時間大丈夫です。レストランで提供されるものと同じ料理を部屋で楽しめます。
「シュニッツェル」や、牛肉を煮込んだ「ターフェルシュピッツ」。
さらにはマリア・テレジアが愛したスイーツの「アプフェルシュトルーデル」やホテルご自慢の「インペリアル・トルテ」など、有名どころは一通りそろっています。
アルコールは苦手ですが、せっかくなので食後は隣接するバーへ。
唇を湿らす程度いただきました。
朝食はインペリアルカフェを訪れます。
一番乗りだったようで誰もいません。
朝からご覧のようなケーキが用意されていました。
甘党なので全部いただきました。
時間が経つにつれて店内は賑わってきました。
宿泊客以外も利用できるので、仕事前の打ち合わせなどで利用しているビジネスマンも多く見受けられました。
ロイヤルスイート
このホテルで最上位の部屋を特別に見せてもらえました。
ロイヤルスイートは、かつての宮殿の所有者であるヴュルテンベルク王国のフィリップ王子の個室でした。
高さが7メートルもある天井から吊り下がるクリスタルのシャンデリアが輝き、きらびやかな貴族の雰囲気が漂います。
両開きのドアも天井高に合わせた巨大なものでした。
さらに、この部屋に隣接する2つの部屋(インペリアルジュニアスイートとクラシックルーム)をコネクティングルームとして組み合わせることで、合計460m²の客室にすることもできます。
ロイヤルスイートには専属バトラーサービスがあります。
ロンドンの「ホテルサボイ」同様に、法に触れること以外はなんでもします的なバトラーサービスを受けられるのでしょう。庶民には無縁の世界です。
それにしても、泊り客がいるわけでもないのにどうして花を飾っているのか疑問に思ったので尋ねてみたところ、突然の予約が入るかもしれないから、常に受け入れられる状態にしてあるとのことでした。
すごいベッドです。
壁面は精巧な象眼細工。そして床面は寄木細工で作られています。
この床ですが、歩くとギシギシと音を立てます。
決してボロいワケではなく、就寝中に何者かが部屋に侵入した時、気づくようになっているのだそうです。
2002年に当時の天皇皇后両陛下がオーストリアを訪問した際、この部屋に宿泊したそうです。
それにしてもあまりにも立派すぎて、庶民の私には逆に落ち着きません。
天井が高すぎます。こういう部屋より押入れの中の方が落ち着きます。
いいものを見せてもらえました。
世の中、上を見たらキリがないなぁ〜と再認識しました。