「和室」
日本海に面した京都府京丹後市丹後町の間人(たいざ)という集落にある民宿です。
間人という地名の由来は、聖徳太子の生母、間人(はしうど)皇后が戦乱を避けて丹後の当地に身を寄せ、のちに当地を去るに当たって自らの名をこの地に贈ったものの、住民は「はしうど」と呼び捨てにすることを畏れ多く思い、皇后がこの地から退座(たいざ)したのにちなんで、間人を「たいざ」と読み替えた、との伝承が残っているそうです。
ただし間人皇后が丹後に避難したとする記述は記紀になく、由来には他にも諸説があるそうです。とは言え日本でも有数の難読地名でしょう。
宿の正面玄関側から見ると2階建てに見えますが、傾斜地に位置しているため、玄関の下にも階があり、実質は3階建ての立派な建物です。
よって下から見上げると、民宿と言うよりも小ぶりのビジネスホテルに見えなくもありませんでした。
民宿外観
海側から見た宿の様子です。
4階部分も見えますが、屋上に出るための階段室程度だと思われます。
下から見上げると、もはや民宿というよりも「ビジネス旅館」って感じの規模です。
建物の横には砂利敷の広々とした駐車場があります。
今回はツーリングで利用したので、建物脇のコンクリート敷の区画に駐輪することが出来ました。
民宿の目の前は、道路を挟んで鉛色の日本海が広がっていました。
海岸線は岩場になっていますが、散策出来るように遊歩道が整備されていました。
食後や朝の散歩にうってつけです。
和室
客室数は全9室です。
館内は民宿らしく狭く入り組んだ廊下に畳部屋といったもので、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。
今回はグループ利用だったので大部屋の利用となりました。
寝具に統一感は無く、ヤンキー風の柄が入った掛け布団などもありました。
宿の横は駐車場なので、窓からは光が入り明るい室内が確保されています。
食事
海の近くであり、また宿のご主人は相当な料理の腕の持ち主らしく、朝晩の食事は大変美味しかったです。
間人には漁港があって、ハタハタ、カニ、イカ、ブリなどが水揚げされ、特に間人漁港で水揚げされたズワイガニの一部は「間人ガニ」というブランドで出荷されているそうです。
さすがに宿の食事にカニは出ませんが、それでも新鮮なお刺身や貝、旬の筍と合わせた煮物など、手のこんだ料理が多数食卓に並び、目にも美しく胃袋も満足する夕食となりました。漁村の民宿に泊まる楽しさはなんといっても食事にあります。
こちらは朝食です。
朝からこれだけしっかり食べると、その日の昼食はまず食べられません。
魚が美味しいのはもちろん事ですが、野菜が非常に美味しかったです。
日本海に面した小さな漁村ですが、歴史のある土地であり、観光にも力を入れているので、早めにチェックインして集落内をのんびりと歩いて散策するのも面白そうな所だと思いました。
公共交通機関によるアクセスはバスしか無いために不便ですが、京都駅との間に高速バスも走っているそうです。