階段の手すり、はたまた2階の廊下から…。
手すりに飛び登ろうとして、誤って反対側の階段に落下したら大変です。ましてや階段の角に背中でも強打しようものなら、骨折するのではないか?現に他所様の飼育記を読むと、そのような事故にあってしまった猫もいるようです。
また2階の廊下で追いかけっこをしていて、そのまま手すりのすき間から、勢い余って階段側にダイブしてしまうのではないか?
…とまあ、心配しだしたらキリが無いので、猫が手すり周辺から階段に落下しないように、転落防止ネットを設置することにしました。
調べてみると、寸法を測った上で、階段の吹き抜けなどに設置できるネットを作っている業者もあるようです。やはり皆さん対策を講じているのですね。
しかしオーダー品となると、それなりの値段となります。また網が太くて目立ちます。そこで切ってもほつれずに、インテリア面でも邪魔にならない既製品のネットが無いかを調べて、以下の品を購入しました。
「ベランダねっと」という製品です。本来はカラスやハトなどの鳥害防止用です。購入の決め手は「日本マタイ株式会社」という安心の日本メーカーの製品だからです。
網のサイズは2,5m×5m、網目のサイズは3cm。
材質はナイロンで、角目だから好きなサイズに自由にカットが可能です。
太めのテグスのような素材なので、猫が全体重をかけてブチ当たっても、ネットが切れることは無さそうです。
手すりの上空間からネットを吊り下げるために、アイストラップを4個ほど、天井内の野縁にネジ止めしました。
手すりの柱部分にはナイロンロープでネットを結びつけます。さらに棚板の箇所にも、テグスを使ってネットを結びつけ、緩みがないようにしておきました。これで手前の廊下から手すりを走り抜けて、奥の階段へとダイブするような事態は無いでしょう。
天井から床までネットが張られているにもかかわらず、透明な糸なので、見た目も圧迫感がなくスッキリとしています。
手すりから子猫が階段側に落ちたら、ケガしそうですよね。
転落防止ネットを設置したことで、これまでは1階のみに閉じ込めていましたが、ようやく2階も開放です。初めての階段に興味津々のトーゴとシラスでした。
しかしネットを張ったことで思わぬ事態が発生しました。ネットを足がかりにして妹のシラスが手すりの上に登ってしまったのです。
ネットの糸は細いのですが、シラスは軽いので、ネットが大きくたわむこともなく、はしご代わりになってしまいました。
一方でトーゴは体重がシラスよりも重いせいか、ネットを使ってよじ登ることが出来ず、下から羨ましそうに妹を見上げていました。
でもまあ、手すりから自発的に階段へダイブするようなことは無いでしょう。
ひとまず様子見と思っていたら、いつのまにかトーゴもネットを足がかりに手すりの上に登っていました。
1匹で静かにしていれば問題ないのですが、2匹が手すりの上でじゃれ始めると心配です。
足元のことなどお構いなしに、暴れまわる2匹。現に目の前でシラスが落下したので受け止めたこともあります。
そして予想外だったのが、ネットのヒモを噛み切ってしまうことでした。テグスのような細い糸を、器用にパチンパチンと噛み切っていきます。
歯ざわりが良いのか?それとも自由を奪うネットをズタボロにすることが快感なのか? 執拗なまでにネットをボロボロにしていくトーゴの表情が、悪魔のように見えました。
切られたネットにもはや転落防止の効果は無いので、設置から1週間ほどで撤去しました。ネットが無くても廊下から勢い余って飛び出すようなことはありませんでした。猫もそこまでバカじゃないのですね。危険な高さというのは認識しているようです。手すりの上で2匹がまったりすとすごしています。
一度だけ、妹のシラスが棚板から手すりによじ登ろうとして足を踏み外し、階段側へ落下しました。その際は受け止めることができず、あっと言う間に階段に転落。さらに池田屋事件の様に階段の下まで”ズドドドッ”…と転がり落ちていきました。
ヒヤッとしましたが幸いケガは無かったのがなにより。それ以降、シラスは手すりに登る際は階段側からではなく、失敗してもダメージの少ない廊下側から登るようになりました。猫ってちゃんと学習するのですね。
転落防止ネットを撤去することに成功したトーゴに、「ざまあ〜」と言われているようでした。