🐈⬛猫と暮らしている飼い主の”ヌシ”です。まずはこちらの写真から。
これは玄関に設置している猫の脱走防止柵です。
猫を迎えるにあたり玄関からの脱走を防ぐ対策を講じなければいけませんでした。当初は玄関ドアに網戸でも増設すればいいやと簡単に考えていました。よく夏場に通気をよくするためのアレです。でもそれだと帰宅時に、玄関ドアを開けて網戸のすぐ近くに猫がいた場合どうなる? 例え網戸から離れるよう指示しても、網戸を開けた一瞬の隙きを狙って、スルリとすり抜けて脱走してしまうのではないか?😫
よって玄関ドアと脱走防止柵の間に緩衝地帯を設けて、そこには決して猫が立ち入れないようにしなければ、飼いヌシは外出も帰宅もままなりません。
そこで脱走防止柵をどこに設置するか考えた結果、玄関の框部分に設置するのが、飼いヌシの居住スペースを極力無駄にすることなく、また猫にとっても狭い家の中を最大限行動できると考えました(つまり猫が立ち入れないスペースは玄関の土間部分のみ)。
さて、脱走防止柵を調べたところ、これまた実に様々な製品があります。
インテリアに合うような木製品が欲しいと思って調べると、『にゃんがーど』なる製品がありました。見た目もすっきりしてシンプルだったので、これを第一希望に選びました。我が家の玄関に合うサイズだと”親子扉バージョン”になるそうです。しかし親子扉バージョンは小扉が開閉しないとのことです。
それだと室内に保管してある自転車の出し入れが面倒になるのと、滅多にありませんが、大きな家電を購入した時など、玄関からの搬入に支障をきたします。その都度『ディアウォール』ごと扉を取り外して搬入路を確保するのも面倒です。😕
さらに購入を躊躇させたのはその価格。なんと税込み98000円!プラス送料5000円!!さすがに10万円超えは厳しい。😱
そして購入を諦めた最大の要因は納期でした。今から申し込んでも納入は約2ヶ月先とのことで、我が家に保護猫が来るのに間に合いません。
仕方がない…面倒だけど作るとします。😑
玄関周りを採寸して簡単な図面を引いて、必要な木材を調達します。
しかし”ヌシ”は免許はあれど車を持っていないためホームセンターに買い出しに行くことが出来ません。😢
ホームセンターで軽トラを借りる手もありますが、返却のために結局2往復しなければならないのが面倒です。1往復で済むように、かつては片道1時間かけて木材を担いで運んでいた時もありましたが、最近はコロナもあって極力外出は控えたい。😷
そんな時に便利なのが通販サイト。さすがに長物だけあって送料無料対象外でしたが、長さ3mを超える木材を玄関先まで運んでくれるのですから、便利な時代になりました。🤗
さて、今回の脱走防止柵を制作するにあたって発注した木材は以下の通りです。
SPF材は扉の枠部分に使用して、格子の部分は南洋材の丸棒を使用しました。材料的には『にゃんがーど』と同じになりましたが、別にあえて真似したわけではありません。安価で加工しやすい木材を選ぶと必然的にこうなりました。
2×3のSPF材
長さ3650mmを4本
南洋材の丸棒
直径20mm×910mmを20本
直径20mm×1820mmを20本
製作途中の写真はまったくありません。木くずが舞う中でカメラを構える余裕はありませんでした。今思えば撮影しておけばよかったのですが、さっさと作って終わらたかったので、一気に材料の切断、穴あけ、組み上げ、ヤスリがけを行いました。
そうして組み上がった”お手製脱走防止柵”。左の幅が広い方が親扉、右が小扉です。
扉の高さは天井近くまでとったので2m30cmあります。まさか猫がそこを飛び越えるとは思っていませんが、運動神経が良さそうなベンガルハーフ🐆の子なので念には念をってヤツです。
無垢のままでも良いのですが、玄関周りの材と木肌の色を合わせるためBRIWAXを塗り込みます。色はお気に入りのパイン、…と言うかこの色しか家にはストックがありません。我が家の木製品はほとんどこの色です。
格子の間隔は30mm。子猫の頭も通りません。格子部分の組み立て方は直径21mmの座ぐりを施したSPF材に、直径20mmの丸棒を差し込みます。上下のSPF材で挟み込んでいるのでネジや釘などは使っていません。
よって僅かに遊びがあり、格子の丸棒はクルクル回転します。そのため例え猫が格子に飛びついて爪が引っかかったまま落下したとしても、格子が回って爪が剥がれるような事故を防げるのではと考えています。
出来上がった脱走防止柵を玄関部分に設置します。持ち家なので『ディアウォール』は使わず、直接壁に取り付けることにしました。
なんだか旅館の玄関みたいになりました。
とは言え扉はそれなりに重量があるので、石膏ボードにアンカーを打ったとしても強度的に不安です。
なので壁の中の柱にネジ止めするため下地探しをしました。手持ちの下地探し機は2つありますが、個人的にはアナログな「下地探しどこ太」をもっぱら愛用しています。やはり手の感触で柱の位置を確かめたほうが個人的には安心する古いタイプの人間なものですから。
一方、耐荷重で大切なのは丁番も同じ。親と子それぞれの扉の重さを量った上で、メーカーのカタログから丁番の耐荷重を調べて、これもまた通販サイトで購入しました。
購入した丁番は2種類です。親扉にはスガツネ(LAMP)のステンレス鋼製抜き差し丁番『LSX-100R』。ちなみに壁側のコースレッドが浮いているのは、フレキしか手持ちが無かったためです。浮いて入るけどガッチリ壁の中の柱に食い込んでいます。
この丁番、屋外利用を前提に、船舶や海洋機器などでも使えるステンレス鋼SUS304を使用した丈夫なものです。屋内で使うのでここまで大げさな丁番の必要は無かったのですが、耐荷重に余裕をもたせて選んだ結果こちらの丁番となりました。
たまたまですが、丁番の芯が入る円柱部の直径が、巾木の厚みと一致したおかげで、巾木を上手くかわすことが出来たのは助かりました(ほんの少しだけ足りなかったのでワッシャーをかませてクリアランスを確保しています)。
一方の小扉は重量が多少は軽いのでスガツネ(LAMP)の抜き差し丁番KN型『KN-64CL』を使用しました。材質は同様にステンレス鋼SUS304です。
それぞれの丁番をインパクトドライバーを使用してコースレッドで取り付けました。なお柱への取り付けは相当なトルクが必要なので手回しのドライバーではキツイと思います。
脱走防止柵と床面とのクリアランスは15ミリ。これでは猫の手が入るのがやっとでしょう。
丁番をスライドさせて差し込む関係上、天井と扉との隙間は50ミリ開いています。
頭の小さい子猫なら”すり抜け”可能かもしれませんが、扉の高さは2m30cmあるため、手がかりも足がかりも無い状況で、その高みに辿り着くことはまず無かろうと思っています。
下駄箱上部の横側は壁が無く開いているので、そこも扉と同様に丸棒を使って脱走防止柵と同じ要領で格子を設置しました。
玄関扉側から見た脱走防止柵。この光景を猫が見ることは、まず無いはず。
普段は親扉のみを開閉させますが、大物搬入時などは小扉を開くことで対応できるようにしてあります。
猫にとって脱走防止柵は、どの様に目に映るのでしょうか?刑務所の高い塀を見上げるような気分なのでしょうか?(収監されたことはありませんが)
肝心の鍵は打掛錠を1つ付けました。選んだのはスガツネ(LAMP)のステンレス鋼製打掛け 『BLL-45』です。
なぜこの錠にしたかというと、この打掛錠はバネの力で掛金部を抑えるので、振動で掛金が外れるのを防止できることと、掛金を外す際にPUSHボタンを抑え続けなければならず両手が必要となるからです。これならば、例え猫の手が届いたとしても外せないと考えたからです。
鍵を付けたのは玄関扉側なので猫が鍵を直接目視することは出来ません。でも人間ならば室内側から両手を使って指先の感覚で鍵の開閉が出来ます。
室内側から鍵の存在をどことなく察知している様子のトーゴ。普段私がそのあたりで手をゴニョゴニョして鍵を掛けるのを見ていて、薄々感づいているのでしょうか。
今回の脱走防止柵DIY、かかった費用は…
木材
2×3SPF材 1290円×4本=5160円
SPF材送料 2600円
丸棒 910mm 200円×20本=4000円
丸棒 1820mm 400円×20本=8000円
丸棒送料 2200円
金物
抜き差し丁番KN-64CL 379円×3個=1137円
抜き差し丁番LSX-100R 1190円×3個=3570円
打掛錠 BLL-45×1個 700円
合計27,367円
「にゃんがーど」を買うより安く済みましたが、ヌシの場合はネジや工具やワックスやら必要な道具を元々持っていたので価格を抑えられたわけで、イチから揃えるとなると大変です。さらに丁番には右用左用とそれぞれ向きがあり、設置場所や見た目を考えて、どちら向きにするか?を考えるのも個人的には頭を悩ませました。それらの手間暇を考えれば素直に購入した方が楽だと思います。
実際もう一度、脱走防止柵を作る気はあるかと問われれば、もう二度と作りたくありません。 猫としては撤去してくれと願っているのでしょうね。