「グランドツイン」
山下公園の目の前にある横浜を代表する歴史的なホテルです。
ホテル棟はタワーと本館に別れていますが、やっぱりホテルニューグランドに泊まる以上は歴史の重みを感じたかったので本館に宿泊しました。
ホテルの開業は1927年(昭和2年)12月1日です。
ホテル外観
横浜港の玄関口であった山下町界隈は外国人客向けのホテル街がひろがっていましたが、大正12年9月1日の関東大震災によってホテル街は壊滅します。
その後、被災地には仮設の宿泊所が建てられましたが、”テントホテル”と揶揄されるほど惨憺たるものだったそうです。
そのため横浜市の政財界をあげて新しいホテルの建設の声が挙がり、当時の市長がホテル建設計画を議会に提出し、新ホテルの名称は市民に公募されました。
震災復興の期待を受けつつ、震災瓦礫を埋め立て誕生した山下公園の正面に「ホテルニューグランド」は開業します。
今では周囲を大きなビルに囲まれた「ホテルニューグランド」ですが、そうした歴史を知った上で眺めると、感慨深いものがあります。
ホテルのロゴがクラシカルです。英語表記のみというのも横浜らしい。
中庭
本館には中庭があります。植栽もキレイに手入れがなされています。
噴水には水が張られており、苔などの汚れもありません。
夜の中庭です。植栽の中にLEDが仕込まれています。
ギンギラではなく控えめな光量に気品を感じます。
大階段
2階へと続く本館の大階段はホテルのシンボルです。
ロビー
なんとも重厚なエレベーターホール。
本館の設計は銀座和光を設計した渡辺仁氏によるものです。
建物は1992年に横浜市認定歴史的建造物となり、2007年には経済産業省が選んだ近代化産業遺産の認定を受けています。
横浜のランドマークでもある歴史あるホテルのロビーを独り占めできました。
クラシックホテルの重厚感あるパブリックスペースを静かに堪能できるのは、宿泊者の特権でしょう。
この日だけかどうかわかりませんが、ロビー内を自由に歩き回れるのは一部のみとなっていました。
最近のホテルと違って、館内の上り下りに階段を使えるのが便利です。
エレベーターの待ち時間から開放されます。
エレベーターのカゴは最新式のものに置き換えられています。
客室階エレベーターホール
ロビー階と違って、客室フロアはリニューアルされているようで、思いの外現代的なインテリアでした。
フロア図
避難経路図です。建物はロの字型ですが、廊下はコの字型です。
扉まわり
クラシカルなデザインの扉です。白色なのも港町らしい爽やかさを連想させます。
鍵は昔ながらのキーホルダータイプです。(画像を一部加工しています)
入口付近から客室を見た様子です。
グランドツイン
客室面積は27㎡。
ベッド
ベッドのサイズは不明です。
枕が2個とクッションが1個。
サイドテーブル
両ベッドの間に設置されています。コンセント類はありません。
机まわり
楕円形の机です。机の上にはいろいろと物が置かれており、机仕事をする時に邪魔になります。また片付けたとしても、それらを他に置いておく場所が見当たりません。
足元のコンセント付近は、見た目があまりスマートではありません。
電源コードは素材も安っぽく、コードがよじれていて貧相な感じがするのは残念。
鏡台と一人がけのソファとローテーブル。
どれもクラシカルなデザインで、ホテルの雰囲気と合っています。
姿見の付いた巨大な家具が部屋の中で存在感を放っています。
扉を開けると、テレビ台とクローゼットが一体化したものでした。
クローゼット
収納力はビジネスホテル程度です。
ハンガーなどは家具の色に合わせてあるので見た目もスッキリしています。
使い捨てスリッパ。
袋にはホテル名が印刷されていますが、スリッパ本体は無地です。
テレビ・冷蔵庫
中央にはテレビ。その下には冷蔵庫があります。
テレビの画面は小さめです。
テレビ好きにとっては、視聴する際に扉を開け放たなければいけないのが不便です。
逆にテレビを見ない人にとっては、室内がスッキリとして良いでしょう。
冷蔵庫
内部はミニバーとなっています。持ち込み品を入れるスペースは少しだけあります。
バーカウンター
家具の一番右端がバーカウンターとなっています。
コーヒーは有料。
引き出しの中にはナイトウェアが収納されています。
下段にはセーフティボックス。
DRETEC製の電気ポット。
木製の折りたたみ式バゲージラック。
眺望
ベイビューです。山下公園の先に横浜港が広がる、横浜らしい眺めです。
夜景は控えめで大人の雰囲気。
目の前に係留されている氷川丸がライトアップされています。
水回り
クラシカルな雰囲気です。
壁や床面が石材の様なデザインなのが、一層それを感じさせます。
バスタブ
足が伸ばせるサイズが確保されています。
シャワーヘッドはプラスチックの素材感があります。
洗面台
これまたクラシカルなデザインです。
アメニティはホテルのオリジナルパッケージで揃えられていました。
ただし中身は国産メーカーで、外国ブランドのような香りはありませんでした。
お手洗い
洗面の横、曇りガラスで隔てられています。
ウォシュレットです。操作部は便座に付随しているタイプです。
バスローブに穴が開いていましたが、特に不便さは感じません。
客室数も多いと、なかなか細かな点までチェックが行き届かないのだなと思いました。
朝ごはん
朝ごはんは、タワー館のビュッフェか、本館にある和食店の選択式。
本館5階を奥へと進むと「たん熊北店」があります。
朝食は和食にしました。
ビュッフェは面倒なのでこうした店があるのは助かります。